ホームページ制作の相談を受けていると、よくこんな言葉を聞く。
「何を基準に選べばいいのかわからない」
「正解が知りたい」
「失敗したくない」
ただ、現場で感じているのはひとつだけだ。
判断基準が最初から明確な人は、ほとんどいない。
多くの場合、
- 先に業者を選び
- 先に制作が進み
- 違和感が出たあとで
その結果を説明するために、「判断基準だったはずの言葉」が後から作られる。
判断基準は「選ぶ前」には見えない
判断基準は、チェックリストのように最初から並んでいるものではない。
実際には、
- 話していて感じた違和感
- 説明の中で引っかかった一言
- なぜか腑に落ちなかった提案
そうした感覚の積み重ねが、あとから言語化される。
だから、最初から正しい判断基準を教えることに、あまり意味はない。
失敗しない方法を探すほど、判断は鈍る
失敗したくない、遠回りしたくない、無駄なお金は使いたくない。
その気持ちは自然だ。
ただ、失敗を避けることを最優先にすると、自分で考える力は弱くなる。
誰かの正解をなぞり、数字や実績だけを見て、耳ざわりのいい言葉を信じる。
それは判断ではなく、委ねている状態に近い。
このブログで書くこと
ここでは、正解やノウハウを並べることはしない。
書くのは、
- なぜ違和感を覚えたのか
- なぜその選択をしなかったのか
- なぜ立ち止まったのか
判断に至る手前の思考だ。
読んだ人が、「自分ならどう考えるか」に目を向けるきっかけになれば、それでいい。
判断基準は、借りるものではない
判断基準は、誰かから与えられるものではない。
自分で考え、迷い、違和感を覚え、それでも選んだ結果として、あとから形になる。
このブログは、その考える途中を残す場所だ。
正解を探している人には不親切かもしれない。
それでも、自分の判断で前に進みたい人には、何かが引っかかるはずだ。