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Web制作の現場では、日々さまざまな課題に直面します。今回は、多くの制作会社やフリーランスが経験する「あるある」なシチュエーションと、それらを乗り越えるための具体的な解決策をご紹介します。

1. 終わらない仕様変更の嵐

あるある: プロジェクト後半での大幅な仕様変更や、クライアントからの度重なる修正依頼。

解決策:

  • 契約時の明確な合意: 契約段階で、修正回数や範囲を具体的に明記し、追加費用が発生する条件も合意しておく。
  • フェーズごとの承認: 各工程(要件定義、デザイン、開発など)で、クライアントの承認を必ず得るフローを導入する。
  • 変更管理シートの活用: 変更内容、理由、期日、費用などを記録する変更管理シートを作成し、共有する。

2. デザインカンプと実装のズレ

あるある: painstakingly作成したデザインカンプ※が、いざ実装してみると「なんか違う…」となる。

解決策:

  • プロトタイプ・モックアップの活用: デザイン段階でFigmaやAdobe XDなどでインタラクティブなプロトタイプを作成し、早い段階で動きやユーザー体験を確認してもらう。
  • デザインと開発の密な連携: デザイナーとエンジニアが初期段階から密にコミュニケーションを取り、実装上の制約や実現可能性を考慮したデザインを検討する。
  • 共通認識の確立: 余白やフォントサイズなど、デザインガイドラインを明確に定めることで認識のズレをなくす。

※「painstakingly作成したデザインカンプ」というのは、**「大変な労力をかけ、細部まで入念に、苦心して作り上げたデザインカンプ」**という意味になります。

3. スケジュール遅延の連鎖

あるある: 特定のタスクの遅延が、プロジェクト全体のスケジュールを圧迫し、最終的に納期遅れに繋がる。

解決策:

  • WBS(Work Breakdown Structure)の活用: タスクを細分化し、それぞれの所要時間と担当者を明確にする。
  • バッファ期間の確保: 想定外の事態に備え、各工程やプロジェクト全体にバッファ期間を設ける。
  • 進捗会議の定期的開催: 週に一度など、定期的に進捗を確認し、課題を早期に発見・対処する。

4. クライアントからの曖昧なフィードバック

あるある: 「なんかイメージと違う」「もう少しおしゃれに」など、具体的な指示のないフィードバックに悩まされる。

解決策:

  • 具体的な質問の投げかけ: 「具体的にどの部分が」「どのようなテイストに」「参考になるサイトはありますか」など、5W1Hで具体的な質問を投げかける。
  • イメージの共有: 初期の段階で、参考サイトやイメージ画像を共有してもらい、認識のすり合わせを行う。
  • 言語化のサポート: クライアントの漠然としたイメージを、制作者側で具体的な言葉に落とし込むサポートをする。

5. レスポンシブ対応の苦労

あるある: PCサイトのデザインは完璧なのに、スマホやタブレットでの表示崩れに苦戦する。

解決策:

  • モバイルファーストでの設計: PCデザインから始めるのではなく、まずモバイル版のデザインから着手することで、ブレイクポイントや要素の最適化を意識しやすくなる。
  • コンポーネント指向での開発: UIコンポーネントを再利用可能な形で設計・開発することで、各デバイスでの表示調整が容易になる。
  • テスト環境の充実: さまざまなデバイスやブラウザでの表示確認を徹底的に行う。

6. 複数案件の同時進行による混乱

あるある: 複数のプロジェクトが同時に進行し、頭の切り替えやタスク管理が難しくなる。

解決策:

  • タスク管理ツールの活用: Trello、Asana、Jiraなどのツールで、各プロジェクトのタスクを一元管理する。
  • タイムマネジメントの徹底: ポモドーロテクニックなど、集中力を高めるための時間管理術を導入する。
  • 優先順位付けの習慣化: 緊急度と重要度でタスクを分類し、優先順位をつけて取り組む。

7. テスト環境と本番環境の差異

あるある: テスト環境では問題なかったのに、本番環境にアップロードしたらエラーが発生した。

解決策:

  • 本番環境に近いテスト環境の構築: 使用するサーバー、OS、ミドルウェアのバージョンなどを本番環境と可能な限り一致させる。
  • デプロイフローの確立: 自動デプロイツールを導入し、人為的なミスを減らす。
  • バージョン管理の徹底: Gitなどのバージョン管理システムを使い、コードの変更履歴を管理する。

8. 旧ブラウザ対応の限界

あるある: 最新の技術を使いたいのに、クライアントからの旧ブラウザ対応の要望に縛られる。

解決策:

  • 対応ブラウザの明確化: 契約時に対応するブラウザのバージョンを具体的に提示し、合意を得る。
  • 段階的なアップグレードの提案: 旧ブラウザ対応に多大なコストがかかる場合、将来的なアップグレードのロードマップを提案する。
  • ポリフィルやトランスパイラの活用: 最新の機能を旧ブラウザでも動作させるための技術的な解決策を検討する。

9. ドキュメント作成の手間と不備

あるある: 制作後の引き継ぎや保守のためにドキュメントを作成するが、手間がかかったり、情報が不足しがち。

解決策:

  • テンプレートの活用: 仕様書や設計書のテンプレートを用意し、効率的に作成できるようにする。
  • こまめな記録: 開発中に気づいたことや、特別な対応が必要な箇所はその都度メモを残す習慣をつける。
  • Gitのコミットメッセージの活用: コミットメッセージに具体的な変更内容や理由を記述することで、簡易的なドキュメントとして活用する。

10. クライアントとの認識齟齬

あるある: 言葉のニュアンスや専門用語の違いから、クライアントと制作者の間で認識のズレが生じる。

解決策:

  • 専門用語を使わない説明: クライアントには、専門用語を避け、分かりやすい言葉で説明する。
  • ビジュアルを用いた説明: 複雑なシステムや機能を説明する際は、図やイラスト、フローチャートなどを活用する。
  • 議事録の作成と共有: 会議の後は必ず議事録を作成し、内容をクライアントと共有し、確認してもらう。

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